Leverages データ戦略ブログ

インハウスデータ組織のあたまのなか

テックブログの投稿頻度を25倍にするためにやったこと

はじめに

こんにちは、データ戦略室の(自称)テックブログ編集長の丸山です。
本日の記事が2024年最後の記事となります。
データ戦略ブログをこの1年読んでくださった方がいましたら、何か最近気づいたことがあるのではないでしょうか?

そうです、今年の7月に入ってからブログの投稿頻度が爆増しています!
今年の上半期と下半期の投稿数を比較すると、その数はなんと25倍になっています!

  • 2024年1月~6月の投稿数→1記事
  • 2024年7月~12月の投稿数→25記事
    2024年上期の投稿

2024年下期の投稿(一部抜粋)

上半期の投稿数が数個増えると倍率は大きく変わるので、やや釣りタイトルになっていることにまずはお詫び申し上げます笑。
とはいえ、投稿頻度が増加したのは事実ですし、「テックブログはなかなか続かない...」という悩みを持っている技術組織のリーダー・マネージャーの方も多いと思いますので、今回はブログの定期的な投稿のためにデータ戦略室として取り組んだことを共有します。

やったことを要約すると以下のようになります。

  • ブログ投稿の意味づけを行い、週1回の投稿持ち回り制を導入する
  • ブログ執筆のコストをとにかく減らす
  • メンバーに好きな記事を書いてもらう & 記事の反応があったら賞賛する

詳細は以下で説明していくのでぜひ読んでいってください!

ブログ投稿の意味づけをする

ブログの投稿頻度を上げるためには、メンバーの皆さんに執筆の協力をしてもらう必要があります。
また、執筆をしてもらうには「なぜブログ投稿が重要なのか」をメンバーに理解してもらう必要があります。
そこで私からメンバーに対して、ブログ執筆の「組織としての重要性」「個人としての重要性」のそれぞれをMTGにて共有しました。

組織としての重要性

ブログ投稿によってデータ戦略室は以下のような恩恵を受けます。

  • 中途採用での訴求になる
    • 技術のインプットおよび発信に力を入れている組織だということのブランディングができる
    • 候補者が実際の業務内容についてイメージしやすくなる
  • データ界隈での認知度向上・貢献につながる
  • 社内でも取り組み内容を認知してもらうきっかけになる

個人としての重要性

メンバーが業務で得られた気づきや知識をテキストでまとめることで、個々人に対しても以下のメリットがあります。

  • 自身が学んだ内容について整理することで、理解が深まる
  • テキストライティングのスキルが向上する
  • 保有スキルのアピールになる
    • 転職活動を行う際には、名刺がわりになると思っています(データ戦略室にとっては喜ばしいことではないですが...)

ブログの投稿頻度を上げる前の準備として、以上の内容をメンバーに伝えることで、この後お伝えする運用ルールに対して不満が軽減されるよう努めました。

投稿を持ち回り制にする

これまでは、データ戦略室のリーダー陣で「最近ブログのネタになりそうな業務をしているメンバーがいるか」について相談し、該当者に執筆を依頼するフローとなっていました。
しかし、社外に公開しづらい業務をしているケースや、依頼するメンバーが多忙なケースで履行が滞り、結果として投稿頻度が落ちる結果になっていました。

そこで、「組織として週に1回はブログを投稿しよう!」という目標を掲げ、週ごとに担当者を持ち回りで決める運用に変更しました。
テックブログの運用に関する他社事例を見ると「ブログの執筆は強制せずに自主性を重んじたい」という思想の組織も複数ありました。
しかしデータ戦略室では以下の理由から、持ち回り制にするよう運用ルールの変更を行いました。

  • 上述した通り、ブログ投稿をすること自体に大きな意味がある
  • 現状のデータ戦略室の社員は15名弱の組織規模であり、週1回の執筆をルール化すると、1メンバーあたり約3ヶ月に1回の投稿をしてもらうことになる
    • 上記の頻度は、個人が技術のインプットをしたり、業務で進捗を生み出すスピードに対して無理のない頻度であると判断できる

持ち回り制のデメリットとして、メンバーに記事の執筆を強制する形になるため、工数的・心理的な負担が増加するという点が挙げられます。
以降では、このような負担を軽減するために取り組んだことについて説明していきます。

ブログ執筆の負担をとにかく減らす

ブログの執筆は(特に記事を書いたことがない人にとって)負担がかかるものです。
この負担を減らすために、主に2つのルールを設けました。

レビューの回数を最低限に抑える

データ戦略室では、これまでブログ記事の公開前に、構成・初稿・最終稿の3段階レビューに加え、広報によるレビューを必須としていました。
しかし、レビュー回数が多いことで執筆者の負担が増え、記事公開の頻度低下につながっていたため、データ戦略室内のレビューを任意としました。

レビューの流れの変更

この意思決定は記事の品質担保の面で懸念がありましたが、各メンバーが自分の名前で記事を公開することになるため、結果的に何かしらのレビューを関係者に依頼しているケースが多いのが実情です。
そのため、前述した懸念事項も最小限に留められているのではないかと考えています。

「3時間以内で作成できる記事を執筆する」というベースラインを設ける

当然ですが、メンバーは普段他の業務も遂行しているので、ブログ記事執筆の優先度は低くなりがちです。
その状況下でブログ執筆がのしかかると、シンプルに業務量過多になってしまいます。

そこで、1つのブログ記事執筆にかける時間の目安を3時間とし、それ以上の工数は割かなくて良いという周知をチーム内で行いました。
この周知の裏側には、「ブログの更新頻度を増やすことを最重視して、質は最低限のものを担保する」という考えがあります。個人的には、制度運用の上でここが一番工夫したポイントです。

さて、先述した投稿の持ち回り制の導入と組み合わせると、各メンバーがブログに割く工数は3ヶ月に数時間程度と見積もることができます。
執筆スケジュールを事前に決めていることを考慮すると、既存業務とのリソース調整を行わなくても毎週のブログ記事リリースが実現可能だと判断しています(実際、この半年間は遅延なく記事の投稿ができています)。

執筆者が書きたい記事を書く

前述した通り、これまではリーダーがテーマを決めた上で、メンバーに執筆を依頼するフローになっていました。
このフローでは、メンバー自身が書きづらいと感じているテーマに対しては筆が進みづらいというリスクがあると考えました。
そこで、以下のような2つのルールだけ設けて、メンバーに自由にテーマを決めてもらう運用としました。

  • データ分析の業務で過去に使った or 今後使えそうな項目であればなんでも執筆対象としてOK
  • 上述の項目は、分析の専門スキルだけでなくソフトスキルも許容する

このような形式を取ることで、以前はブログのテーマ決めのミーティングをリーダー陣で設定していたのですが、その分の工数を別の業務に充てることができるというメリットも発生しました。
本運用の懸念点として、「何を書けば良いのかわからない...」というメンバーが出てくることが挙げられます。
この懸念に対しては、ブログ用のslackチャンネルで他のメンバーに相談をしてもらうことで解決をしています。

記事が読まれている時は共有・賞賛をする

ブログを書いたことがある方はわかると思いますが、記事に反応があるとモチベーションが上がりますよね!
データ戦略室のブログでPV数・はてブの数に目標を設けているわけではないですが、反響が大きかったりXで記事について言及されたケースでは、チーム全体のslackでそれを共有する文化を大事にしています。

ブログ記事の反響についてslackで共有

業務関係者を執筆に巻き込む

データ戦略室の業務関係者として、「先進テクノロジー(生成AIなど)の導入を進める組織のエンジニア」「別事業部の企画職としてデータ分析業務に従事するメンバー」などが挙げられます。
このような別組織のメンバーに対しても、執筆に協力してもらえないか依頼しています。 組織横断での依頼により、ブログがさらに活性化することを狙っています。

数値的な成果

この取り組みで一番大事にしているのは「メンバーの負担が少なくなるようにテックブログの週一投稿を継続すること」なので、組織としてPV数などのKPIは設定していないのですが、そういった数値面でも成果が出たことを最後にお伝えしようと思います。

2024年7月から上述の制度を運用し始めたのですが、制度開始前後の5ヶ月間でユーザー数やPV数を比較すると以下のようになります。

  • アクティブユーザー数: +26.6%
  • PV数: +56.0%
  • イベント数: +47.1%

「記事の数が増えてるのに意外と効果が出ていないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
これは、今年の上半期に投稿した記事が大バズりしたことが要因なので、私としては上記の結果もポジティブに捉えています!

まとめ

データ戦略室のブログ執筆に関する取り組みをここまで説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に断っておきますが、実はこの制度の運用はゼロから考えたものではありません。 弊社のレバテック開発部で過去にテックブログの再生に成功しており、そこで取り組んだことをデータ戦略室用にカスタマイズしています(先人の知恵に感謝ですね)。

zenn.dev

上述した制度を導入したことによって、データ戦略室は「全てのメンバーが3ヶ月に1回は技術発信をする組織」になろうとしています。これって結構アツいことだと思いませんか?
アツい組織だな〜と思ってくださった方は、随時メンバーの募集もしておりますので、以下の求人もぜひ覗いてみてください!!読んでいただきありがとうございました!

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