はじめに
データ戦略室ビジネスアナリティクスグループの辰野と申します。2021年4月に人事部より異動後、1ヶ月間は主に事業部の意思決定に必要となる指標の可視化を行ってきました。
突然ですが、皆さんはどのようにしてデータを可視化していますか?「Excelやスプレッドシートにデータを出力して可視化している」「顧客管理システムのレポート機能を使用している」など、様々な方法があるかと思います。
レバレジーズでは、BIツールを用いてデータの可視化を行っています。しかし、私は異動するまでBIツールを使用したことがありませんでした。
そこで今回は、BIツールを使用したことのない私が
- 1ヶ月でどのようなものを作成することができたのか
- 作成するにあたってどういったことに苦戦したのか
をご紹介できればと思います。
初めてBIツールを使い始める時に行ったこと
現在、私が担当している事業部では、Tableauを使用しています。まずは「どんなことができるのか」「どのような操作を行うのか」をざっくりと理解するため、Tableauが提供している無料トレーニングビデオを見ながら、実際に操作をしてみました。
とはいえ、この無料トレーニングビデオを全て見るとなると時間がかかるので、ある程度の導入部分が分かる動画だけを見ました。「編集画面の説明」「データ抽出の方法」「基本のビジュアライゼーションの作成方法」を見れば大体の基本操作は理解できると思います。
また、既に社内にパブリッシュされているダッシュボードの編集画面から「数値がどのような方法で計算・表示されているのか」を確認しました。
ある程度の操作を理解してからは、実際に事業部のデータを使用してひたすらダッシュボードを作成していました。
加入1ヶ月でTableauで作成したものと苦戦したこと(ドリルダウンのカテゴライズ)
まず作成したものは『週次のKPI進捗の数値が見れる表(表1)』です。
これは行に「KPIの達成日」列に「KPI名」をセットしテキスト表にしたものです。週単位で見られるようにすることで、曜日の影響を受けずに週平均の数値で比較ができるため、先週よりも向上あるいは低下しているかが分かり、その情報をさらに深ぼることで「その週に何かあったのか原因を特定する」「原因に対してどういった施策を行うべきか検討する」などのアクションを取っていくことが可能となります。
ここでは「日付のドリルダウンをカテゴライズすること」に苦戦しました。
既存の設定から日付を第1階層(年)>第2階層(週)とドリルダウンすることも可能でしたが、そうすると週からドリルダウンした時に第2階層(週)>第3階層(日付)ではなく、第2階層(週)→第2階層(日付)に変換されてしまい、直感的に「どの週の日付の数値か」が分かりづらいように感じました。(表2)
そこで
- ドリルダウンのカスタマイズ方法
- 週始めの日を取得する方法
をそれぞれ検索しました。
結果、KPIの達成日を計算フィールドで「週単位の日付(週の月曜日の●年●月●日)」「詳細の日付(●月●日)」をそれぞれ作成し、グループ化することで、理想のドリルダウンを作成することができました。(表3)
加入1ヶ月でTableauで作成したものと苦戦したこと(移動平均のフィルタ)
次に作成したものは『カテゴリ別のKPI進捗の移動平均のグラフ(表4)』です。
これは行に「カテゴリ」と「特定のKPI」を、列に「KPIの達成日」をセットし、かつ前30日間の移動平均をグラフ化したものです。その基準日の前30日間の平均値の推移を見ることで、現在上昇しているのか、下降しているのかの傾向をキャッチアップできます。
ここでは「移動平均の期間を前30日間に固定したまま、表示期間をフィルタすること」に苦戦しました。
既存の設定から表計算を使用して前30日の移動平均を表示させることは可能ですが、そうすると平均しているKPIの達成日の期間をフィルタした際に、表示されていない前30日を含まずに計算した移動平均が表示されることに気づきました。(表5)
そこで
をそれぞれ検索しました。
結果、計算フィールドでまず表示したい数値をWINDOW関数を用いて開始を前30日に指定、またLOOKUP関数を用いることで、平均する期間には影響せず、表示する期間のみをフィルタすることができました。(表6)
今後の課題
現在も、引き続き担当事業部の指標の可視化をBIツールを用いて行っていますが、「目的を達成するために必要なデータを、いかに最適なアウトプットにして提供できるか」が課題となっています。
例えば事業部側から「この日付毎のこの数値を棒グラフで見たい」と依頼を受けた際に、「何のために必要なのか」の可視化する目的を確認した上で、「本当にその可視化方法でいいのか、もっと目的にあった見せ方はないか」を考え、こちら側から「提案」できるようになる必要があります。
そのためにも今後、「事業部の課題を事業部の人より理解すること」また「社内でBIツールに一番詳しくなること」を目標として取り組んでいきたいと思います。