はじめに
こんにちは!データ戦略室でマネージャーをしている小山です。
久しぶりの投稿になりますが、実は先日第二子が産まれ、ここ最近3ヶ月ほど育児休暇を取得しており、先月に復職したところです。
せっかくなので、育休系の記事を書きたいと思いますが、「育休取ってみてどうだった?」みたいな記事はよくあるので「マネージャーが育休を取っても組織は問題ないのか説」について書きたいと思います。
そもそも自分も育休取得は2回目なので、育休取ってみたどうだった系の記事よりもこっちの方が書いていて楽しい感じはあります笑
育休をとると決める 編
2人のこどもを同時に面倒を見るルーティンの確立にはどれくらいの余裕が必要だろうか、
下の子の首座りの時期前後でまた都合は変わりそうだ、
下の子を連れて保育園のお迎えに行っても安心できる時期はいつぐらいになりそうか、
などの論点について家族会議を重ねた結果、育休の期間は3ヶ月と定義します。
さて、3ヶ月、人によって捉え方は変わると思いますが、短くはない期間です。
一般的には、マネジメント(プロジェクトマネジメントではなく、組織マネジメント)を担っている人はプレイングをしているよりも育児休暇が取りにくいイメージがあると聞いたことがあります。
果たして、組織マネジメントの職に就いている人が3ヶ月の育休を取得することは可能なのでしょうか?取得できたとして、その間に組織は機能不全に陥らないのでしょうか?機能不全に陥らなかったとして、その場合にマネージャー(私)不要論は表出しないのでしょうか?
せっかくなので自分で試してみることにしましょう。
引き継ぎ準備~育休中 編
まず、育児休暇を3ヶ月取得すると決めたあとに最初に行ったことは、自分の業務の棚卸しと役割の棚卸しでした。
自分が手を動かしている業務や実施・参加しているMTGなどの洗い出しを行いつつ、それとは別に「担っている役割」を言語化します。
今振り返ってみて思いますが、プレイング中心の方では「業務やMTGの引き継ぎ」が中心になってきますが、マネジメント中心の方が抜ける際に重要だったのは「業務やMTGの引き継ぎ」ではなく「役割の引き継ぎ」ではないかと感じています。
業務やMTGを洗い出しました。出てきたものは
- チーム朝会/夕会
- リーダーとの1on1
- リーダーMTG(組織MTG)
- 業務進捗MTG
- 採用面接・面談
- 採用実務(候補者ディレクションや外部エージェントとのMTG)
- ミッション設定(チーム内でなんの業務を行うかの意思決定のことです)
- 部内他組織のマネージャーとのMTG
- 役員との会議
- 人事評価、フィードバック
などといったものです。
なるほど、じゃあこのそれぞれに対して引き継ぎ先を定めれば良いのですね、と思った方、それではまだ不十分だと捉えています。
これを踏まえたうえで、自信が担っている役割を言語化していきます。感覚的(定性的)なものも含まれます。
自身が担っている役割は
- 組織内で起きている問題を吸い上げ、即座に必要関係者を巻き込んで問題解決方針を打ちたて履行すること (業務の問題も組織や人の問題も含む)
- 会社の状況を踏まえて、組織内のメンバーがどういった業務をやるとよいか決めること
- 組織に必要な仲間を言語化して判断し、人員を増やすこと
- 適切な人員配置や組織内の人の役割(権限)の設定を行うこと
- 組織内で声がけをしてコミュニケーションを生み出し、良い雰囲気の組織にすること
- 組織の窓口となり、社内の他組織の情報を自組織に持ってきて積極的に共有すること
- 自組織の成果やできること、組織状況などを他組織に積極的に情報共有して、他組織と良い関係性を築くこと
- 組織内での評価基準を維持し、各メンバーの成長方向を考えること
- その他、どのような対応をすべきかわからない物事すべての一次対応を考えること
それぞれの役割の引き継ぎ方針を下記のように考えました
- リーダー陣の合議(全員の合意形成)により対応
- リーダー陣と一部できそうなメンバーに委任
- 問題解決は特定のリーダーと人事部に委任、最終面接のみ自身が継続
- 3ヶ月ではあまりこの場面は発生しなそうなのでそのまま
- リーダー、メンバー問わずできそうな人に委任
- リーダー、メンバー問わずできそうな人に委任
- 特定のリーダーに役割を委任、上司(役員)との関係構築のみ自身が継続
- リーダー陣に委任、リーダー陣の評価は自身が継続
- 読めないので、引き続き随時エスカレーションしてもらう、かつ上司(役員)に協力を依頼
振り返り 編
改めて振り返ってみると、意識したことは
- 自組織のことは誰か一人ではなく合議で(=全員が方向性に賛同して)決めて、やると決めたことについては全員で協力して対応する
- マネージャーとして担っていた役割をすべてリーダーだけに委任するなどではなく、役職や組織図に縛られずにできそうな人を見極めて協力を依頼する
- 別に役職ついてなくても飲み会とかって開けるよね?のスタンス
- 無理に全部引き継がず、持ったままにしておく
という3点な気がしました
最後のやつだけ、「それありなんかい!!!!!」と思った方もいるかもしれません笑
まぁ、ゆうても3ヶ月なんで、、、、そこは許していただきましょう笑
経験されている方は共感いただけるかもしれませんが、技術系職種の採用活動ってこれがまた引き継ぐのが結構難しいんですよ。。
これが育児休暇が6ヶ月や1年だったら、おそらく自分の考えた引き継ぎ方針も変わったと思います。
とはいったものの、上記のように役割を整理した結果、やるべき仕事は最終面接を担当することと、リーダーを中心として業務委任した方たちとの1on1で相談を受けることと、程度。
事前にチーム内のみんなと不在時についての認識合意が取れていれば、すべてオンラインで対応可能なものですし、物理的にたくさんの時間がかかるものではありません。一日あたりに直すと微々たるものです。
結果どうなったのか 編
結果、3ヶ月が経って浦島太郎状態で復職しましたが、業務は回っていましたし、下半期の業務目標はしっかり社内の他の組織と合意形成がなされた上で設定されていましたし、何かが崩壊したり炎上したりしているということもなかったし、引き続き社内の他の組織からも頼られているようでした。採用活動だけちょっと停滞していました。笑
これはひとえに組織内のみんなが自分の不在時をフォローしてくれたからでしかないので、3ヶ月間家庭に向きあわせてくれたチームメンバーにはいまでも感謝しかないです。
マネージャーってなんなんだ 編
最後に、「ならば、組織マネージャー不在でも組織が回るのではないか?」という観点に関してはどうでしょうか。
結論、その組織においてのマネージャーの「役割」によると感じました。
前述の役割を見ていただければ分かる通り、我々の組織においてマネージャーの役割は「採用・配置・他組織との情報連携や関係構築・文化形成・評価・権限移譲」など、直接的な業務マネジメント以外の役割が多く設定されていると見受けられます。(技術組織なので、各セクションの技術リードの役割は別で定義していたりします)
これらの機能は、短期的に失われるないしは弱くなった際に、すぐに現行業務が止まったり、出ていた成果がでなくなったりするものではないはずです。
ただ、中期的に見た際に、半年、1年とそれらの機能が停止した場合、その組織は会社内で孤立したり、コミュニケーションパスが崩壊したり、業務は進むがメンバーが働く意味を見失っていったり、組織内のメンバーがどこに向かっていくべきなのか(何をすべきなのか)わからなくなったりしてその組織は機能不全に陥ります。
復帰してみた感想としては、
「短期的にはいなくても耐えられるが、一定期間いないと徐々に不可逆性の高い困りごとが増えてくる」というのがマネージャーの業務なのではないでしょうか。表現がすごく難しいですが「いなくても業務自体は回るが、いたほうが何かしら将来の組織やメンバーの人生にとって良いことがある(かもしれない)」的な。
逆にいうと、いなくなってすぐに短期的に困りごとが出てくるような場合は、プレイングやティーチング、業務レビューなどの役割が多いタイプのマネージャーなのかもしれません。 そういった場合も全然ありえますよね、何が良い悪いではありません。組織によってマネージャーに任されている役割は変わってくると思いますので。 故に、リーダー陣含めてこの期間に自分の役割を委任していた方々には、プレイングの比率を一時的に下げて構わないと伝えていました。
検証結果とまとめ
話を戻して、「マネージャーが育休を取っても組織は問題ないのか説」の検証結果は「問題なく育休を取れたが、全部は引き継がない方が結果的に楽だった (検証期間3ヶ月)」となりました。笑
なお、復帰後もリーダーに委任したままの役割もそこそこ存在します。それは、マネージャーの役割を言語化して委任してみたことで、リーダーがそこにチャレンジしやすくなり、組織として生産性があがり、強くなっているということなのではないでしょうか。
その場合、役割を渡した私は、これまでやっていなかったことで更に組織を強くするためにはどのような責務を果たすのが良いのか探すことになります。それは悪いことではなく、むしろ喜ぶべきことです。
組織マネジメントという業務自体、ある程度属人性が高い業務であるということも改めてわかった一方で、100点ではないにせよ世の中で「マネジメント」と言われている「役割」の言語化をする良い機会になったかなと思います。
マネジメント業務を行っている方は、普段何をやっているのか、どういった思想で動いているのかということが自分でも気づいていないことも多く、それを言語化するのは良い機会なはずです。
というわけで、育休エントリに見せかけた、技術組織のマネジメントに関するお話でした。
AIだ、データドリブンだ、と言われている世の中ですが、人や組織に向き合うという役割は今のところ残り続けています。
世の中のマネージャー職のみなさんが、ライフイベントを迎えた際に組織が焦らないための参考に少しでもなれば幸いです。