はじめに
はじめまして、レバレジーズのデータ戦略室に所属しているブライソンと申します。2024年4月に中途入社してから4ヶ月が経ちました。僕がレバレジーズに入社して驚いたことは、Geminiを使えるチャットUIが全社展開されていることです。たまにニュースで生成AIを全社展開したという会社を見かけますが、まだまだ珍しいのではないでしょうか?
ただ、生成AIを導入した会社が次にぶつかる壁は、「みんなが使ってくれない問題」です。便利らしいけど、業務においてはどうやって使えばいいのかがわからない!という人が多いようです。そこで今回は、データ戦略室のメンバーがGeminiを使って、どのように業務効率化をしているのか大公開したいと思います!
CAILについて
CAIL(Chat AI for Leverages)は、弊社で展開されている生成AIのチャットツールです。読み方は、「カイル」です!弊社メールアドレスのドメインで認証されており、レバレジーズの社員であれば誰でも使うことができます。裏側では、GeminiのAPIが使われていて、2024/07/30現在では、画像ファイルやテキストファイルなども投げることが可能です!
CAILは、OSSである「bedrock-claude-chat」をベースに作られたチャットツールです。また、裏側で使われているLangChainという技術の記事を開発者が書いているのでぜひご覧ください!
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業務効率化の事例集
ここからは、実際にデータ戦略室がこのCAILをどのように活用しているかの事例を紹介していきたいと思います。事例をカテゴリに分けてまとめていますので、業務効率化の参考にしていただければと思います!
コーディング
0からコードを書かせる
データ分析をする時のPythonコード、BigQueryのクエリ、自動化をしたい時のGASコードなどなど。コードをささっと作りたい時に、要件をまとめて投げてしまえば一瞬でコードを生成してくれます。会話をしながらコードのブラッシュアップ
0からコードを書かせた後は、ブラッシュアップをしていきます。想定していた挙動と違ったり、Geminiの出力が間違えていたりした際の修正や、仕様の変更をする目的で、Geminiと会話をしていきます。部分的にコードを書かせる
データ分析をするときに多いですが、1,2行のちょっとしたコードを書かせる際にも使います。あのPandasのメソッドの引数って何だっけ、あのBigQueryの関数ってどうやって使うんだっけと思った時に大変便利です。コードレビュー/リファクタリングをさせる
コードを書いたら、リファクタリングにも使います。ブラッシュアップの一種にはなりますが、リファクタリングさせることにより、保守性や可読性を高めます。長いコードは自分でリファクタリングするよりGeminiに投げてしまった方が手っとり早いですね。引き継いだコードやレビュー依頼を受けたコードを読ませる
他人が書いたコードやクエリは、理解するのに時間を使ってしまいます。そこで、まずはGeminiに読んでもらい、挙動を説明してもらいます。そうすることによって、理解が飛躍的に簡単になり、次のアクションにすぐ繋がります!エラーの対処法を聞く
生成AIがなかった時代は、プログラムのエラーが出た際、わざわざ検索し、stackoverflowやQiita、githubのissueに頼っていました。ググってもググっても解決策が見つからないこともしばしば...。しかし、Geminiに投げてしまえばほとんどが解決します。
アイデア出し・情報収集
データセットやテーブル、カラムの名前を考えてもらう
BigQueryを使っていると、新しく作るデータセットやテーブル、カラムの名前に困ります。自分で考えるとセンスのないものになってしまいますが、Geminiに聞くと良い案をたくさん提示してくれます。システム設計の壁打ち
新しくシステムを導入する際、設計に頭を悩ませることがあります。Geminiと壁打ちをしながら、自分の中でより良い設計を目指します。Googleのサービスの概要を教えてもらう
Geminiは、Googleのプロダクトであるがゆえに、Googleが提供しているサービスには非常に詳しいです。レバレジーズはGoogle Cloudを導入しているため、何か新しいサービスを使いたい時などはGeminiに聞いて、概要を掴むことができます。また、Google広告の分析をする際に、Google広告のデータの仕様を聞くと理解が非常に早くなります。
文章生成
企業への問い合わせ文作成
自分たちの使っているシステムの問い合わせ文を作ってもらいます。Googleへの問い合わせは基本英語ですしね...。メール文面の草稿作成
問い合わせ文に近いです が、他社に対してメールを送る際、メール用の文面のベースを作成してもらいます。もちろんそのまま送信することはせず、自分で改めて調整しますが、0から書くよりは圧倒的に楽になります!誤字脱字確認や文言のレビュー
メールや問い合わせ、自分の作った資料の誤字脱字を見つけてもらいます。また、より良い言い回しのアドバイスをもらったりもします。ちなみにこの記事もGeminiにレビューしてもらいました。導入は素晴らしいが、読者にもっと語りかけろと言われました...。
その他
テストデータの作成
プログラムのテストをする際、テストデータを作成するのは面倒な作業です。網羅性を考慮するためにもたくさんのテストデータを作る必要があります。そういう時には、要件をまとめてGeminiにテストデータを作成してもらいます。記事の要約
データ戦略室にいる限り、新しい技術の情報はキャッチアップし続けなければいけません!しかし、長い記事をダラダラと読んでもいられないため、記事全文をGeminiに要約してもらうことも多々あります。英文翻訳
英文のドキュメントを読む必要がある際、まずは翻訳してもらい、効率的に内容を把握します。Googleは、ドキュメントが豊富ではありますが、日本語のドキュメントが出るまでは時間差がありますので、しばしば必要になります。その他細かい面倒な作業
他にも面倒な作業はなんでもGeminiにやってもらいます。例えば、僕はとある理由で、4月に出社した日(平日)をコンマ区切りで列挙する必要があったため、Geminiに代わりにやってもらいました。4月1日が月曜日だったので、次のように頼みました。
まとめ
この記事では、レバレジーズのデータ戦略室が、Geminiを活用したチャットツール「CAIL」を使って、どのように業務効率化を実現しているのかを紹介しました。コーディング、アイデア出し、文章作成、その他細かな作業まで、様々な業務シーンでGeminiが活躍しています。ただ、どれにも言える共通点としては、完全に任せてはいない点です。アウトプットに対しては人間の目を通して、ブラッシュアップさせていきます。ちなみに僕は、CAILを固定タブとして常に置いており、毎日使用するため業務には欠かせないものとなっています。ぜひ、この記事を参考に、Geminiをはじめとする生成AIツールを積極的に活用し、日々の業務を効率化してみてください!生産性爆上がりです!