Leverages データ戦略ブログ

インハウスデータ組織のあたまのなか

データ戦略室の3年間の振り返りとこれから

これまでデータ戦略室がやってきたこと

1年目 (2019年):データ組織立ち上げ

データ戦略室は、レバレジーズにおけるデータ分析の効率化と全社のデータドリブン戦略推進のため、2019年2月に発足しました。
発足当時、弊社内には統一のデータ活用基盤が存在しませんでした。データ活用したい人が自分自身でデータの収集・分析を行っていたため、使える人が限られ、活用の質もバラバラだったように思います。
そのため、データ戦略室では「正しくデータを扱える環境の整備」「整備したデータ環境の現場導入」を目指し、主に下記のような業務を進めていました。
(主な業務例)

  • 各所に点在するデータや活用事例の収集・整理
  • データを集計・分析するためのデータ定義統一
  • 事業で必要になるデータの抽出、またそれを基にした事業理解・データフロー理解
  • 事業KPIモニタリング用のBIダッシュボード開発・導入
  • 管理専任者が不在だったデータウェアハウスの整備・保守運用

主要事業において、データ定義がある程度統一され、BIダッシュボードが活用され始めた、というのがこの1年間の成果だったかと思います。

2年目 (2020年):データドリブンな事業運営の推進、データ基盤移管、データ整備の横展開

現場におけるBIダッシュボードの活用が進み、データへのアクセスが容易になると、現場からの改修・追加の要望が大量に流れ込んできました。ここで、「データ整備は進んだものの、データ活用のプロセスは属人化したままである」という新たな問題に直面しました。
そのため、「本当に事業運営において必要なデータとは何なのか?」「それらを現場の業務に落とし込むにはどうするか?」という課題に取り組んだのがこの1年間でした。
また、データ活用が広がったことによる弊害を解消すべく、BigQueryへのデータ基盤移管がこの年の下半期から始まりました。
さらに、マーケティング領域やシステム領域など、これまでにデータが整備されていなかった部分に手を出し始めました。
(主な業務例)

  • 各レイヤー毎に見るべき指標の再設計
  • 再設計した指標を確認するための環境整備
  • 実際の業務の中で上記環境が適切に活用されるための推進業務
  • BigQueryへの移管の開始
  • 新たな領域でのデータ整備・抽出・可視化 (1年目にやったことを別領域へ横展開)

この辺りから自分たちだけでできる業務の幅を超えてきて、現場の方々にご協力いただきながら何とか業務を進めていました…本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
総括すると、1年目と比較して、データ戦略室が関わる領域が急激に広がり、社内における認知が急上昇していったのが2年目でした。
またこの年、全社総会の表彰にて、ベストチーム部門でノミネートしていただきました。せっかくなら受賞したかったので、次回はがんばりましょう!

3年目:データによる問題解決の促進 (2021年)

「事業運営の中でデータをどう活用していくか?」ということに注力してきた2年間を経て、データを活用した施策が事業戦略の中に組み込まれ、「データを活用することで事業の成長が実現できる」という認識を持ってもらえるようになったのだなと実感しました。
データ戦略室のメンバーが、各所のデータを用いた施策にアサインされるようになり、実際にデータを活用して問題解決を進めていくフェーズに入ってきたなと思います。
もちろん、これまでに行ってきたデータの民主化施策についても、継続して改善を繰り返しています。
(主な業務例)

  • データを活用した改善施策の立案・運用
  • 機械学習を用いたプロダクトの開発、及び業務改善
  • 社内データ分析・データサイエンス強化に向けたPJTの発足
  • 主要事業におけるBigQuery移管の完了、他事業への横展開
  • データ民主化強化のためのデータ活用基盤改善

3年目も終わりに差し掛かってきておりますが、上記のPJTが今後の事業成長につながっていくように、継続して成果を出していければと思っています。

これからデータ戦略室がやっていくこと

約3年間、様々なデータに関する業務を進めてきましたが、まだまだデータを用いて優位性を作っていくには不十分です。
課題は山積みではありますが、いくつかピックアップして記載をしようと思います。

事業課題の発見とデータを活用した改善施策提案の強化

3年目から本腰を入れ、事業課題に対してデータ分析やプロダクトの開発を行ってきました。しかし、事業の成長スピードを早めるためには、まだまだ達成していくべき事業課題があるはずです。
データ戦略室として貢献していくためには、そもそもの事業課題の設定から、課題を達成するためのソリューションの提案及びその実装に至るまで、全てのプロセスに関与し、質を上げていく必要がありますが、まだまだその体制が整っているとは言えません。
そのため、1つ1つのプロセスに対してPDCAを繰り返しながら洗練していかなければ、と感じています。
上記を推し進めていくことは難しいですが、データを扱う仕事をしている者としてはやりがいを感じるポイントでもあります。

事業の意思決定をより簡単で速くできるような仕組みづくり

これまで、各レイヤー毎の指標設計やモニタリング環境の開発を進めてきましたが、これらも不完全な状態です。
そもそもモニタリング開発は、問題発見~アクションまでの効率化や質向上のために行われるものですが、改善点が多く残っています。
事業状況は変化し続けているため、それに応じてモニタリング環境も変化し続けなければなりません。定期的に「今見ている指標が適切か」「その指標をどう見せるべきか」を見直し、改善を繰り返す必要があります。 「容易にデータへアクセスできるデータ活用基盤」から、「見るだけでアクションを起こせるデータ活用基盤」への進化を起こしていきたいと考えています。

所属メンバーの専門性の向上、ナレッジマネジメント

上記2点の強化を実現するためには、自分たちの専門性を高める必要があります。
今データ戦略室に所属しているメンバーが全員経験豊富という訳ではありませんし、時には明確な解決策が出せない問題に立ち向かうことがあります。
そうした場合、最終的に頼りになるのは個々のスキルや組織の集合知だと考えています。
これらは「データ」の範疇に限らず、「営業」「マーケティング」等の職域に関する知識、「SaaS事業」「人材事業」等の事業に関する知識、その他様々なことを学び、活かしていく、ということです。
各個人は業務や学習を通して自身のできることを増やしていき、組織としてもこれまでの経験を残し、対応の幅を広げていきます。

まとめ

今回は、データ戦略室の振り返りと今後についてまとめてきました。
これらの活動の根底にあるのは「事業成長を推進し、ユーザーへもっと大きな価値を提供していきたい」という考えです。
まだまだやるべきことは多くありますが、社会へ貢献していくために今後も尽力していきたいと思います。

さいごに

もし弊社のデータ戦略室に興味を持ってくださった方がいれば、ぜひお話のご機会をいただけませんか?ご連絡をお待ちしております!

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連絡先:teruyuki.sakaue@leverages.jp