Leverages データ戦略ブログ

インハウスデータ組織のあたまのなか

ゆるいのに役に立つ「ゆるっと勉強会」のすすめ

はじめに

こんにちは。データ戦略室データエンジニアリンググループの森下です。
今回は私が中心となって開催しているチーム内の勉強会についてお話します。
エンジニア以外の職種でも、専門職が集まったチームでは日頃から勉強会が活発なところも多いかと思います。ただ、勉強会を継続することに想定以上のエネルギーと時間を使ってしまい、数回で終わってしまうことも多いかと思います。
今回ご紹介する内容は、「継続する」ことを主眼においた勉強会となります。みなさんが想像する勉強会とは少し異なるかもしれませんが、続けられる勉強会のヒントになれば幸いです。

データ戦略室と勉強会について

データ戦略室は、こちらの記事の通り、「全社のデータ活用を推進する」というミッションのもと、データサイエンティスト・データアナリスト・データエンジニアの3職種が在籍している組織になります。
異なる職種の人間が集まっているため、各々スキルセットや知識が異なります。そのため、「全員のスキルレベル向上」を目的として、チーム内勉強会が以前から盛んなチームでした。例えば、過去に以下の内容で勉強会を開催していました。

これらの勉強会は、それぞれの分野に精通している職種の人間が担当講師になるパターンと、全員が事前に指定書籍を読んだ上で担当者が解説を行うパターンの大きく2種類に分かれます。そのどちらについても、担当講師は1回の勉強会で数時間かけて資料を作成していました。チーム内のメンバーに向けた内容とはいえ、それなりのクオリティの資料を作成していましたので、そのまま他チームに展開しても恥ずかしくないレベルでした。
しかしながら、以下の2点からなかなか継続が難しい面もありました。

  • 準備にかかる担当講師の工数が大きく、日常業務を行いながらの準備は負担が大きい
  • チームの人数が増えるに連れ、参加者全員の予定を合わせることが難しくなった。

今回紹介する勉強会について

「ゆるっと勉強会」という名前で今年の4月からほぼ毎週開催しています。参加者も発表者も極力リソースを割かずに「ゆるっと」準備して「ゆるっと」参加することを狙ってネーミングしました。
勉強会の開催にあたって最優先したことは「継続すること」です。少しでも「継続すること」のハードルが上がる要素は極力排除しました。 そのために以下のルールを策定しました。

  • 講師以外は任意参加でよい。
  • 勉強会の時間は質疑応答含めて30分。
  • 勉強会の準備に30分以上かけてはいけない。
  • 誰か一人の業務に活かせる内容であればOK。
  • テーマに沿った外部資料があればそのまま使用する。

このように策定することで、以下の「ゆるさ」を実現しています。

  • 参加者の準備が不要となる。
  • 全員の予定を合わせなくてもよい。
  • 職種間の知識レベルの差を考えなくてよい。
  • 自分のタスクや予定に合わせて参加を決めることができる。

現在までのテーマをいくつかご紹介します。それぞれのメンバーが得意分野や過去の経験を話すことでバラエティ豊かなテーマになっています。

  • SQLの実行順序について
    • 対象者:普段の業務でSQLを書く人
    • 目的:処理効率のよいSQLの書き方を学ぶ
  • アジャイル開発について
  • Tableauで実現可能なことについて
    • 対象者:Tableauで何ができるか知りたい人
    • 目的:日常業務でTableauに触れない人が、Tableauの機能を知る
  • レコメンドシステムに使用される機械学習アルゴリズムについて
    • 対象者:レコメンドのアルゴリズムについて知りたい人
    • 目的:実サービスで運用されているレコメンドアルゴリズムの仕組みを学ぶ

勉強会の予想外の効果

勉強会を通じてチーム内のコミュニケーション量が増えました。「業務に関係した知識を増やすこと」がメインの目的ですが、これは当初想定していなかった効果でした。
コロナ禍ということもあり、チームメンバー同士で飲み会やランチに行く機会も減っています。目の前のタスクについて特定のメンバーと業務中に話すことがあっても、必ずしも業務と深く関わっているわけではないテーマについて、チームメンバーで話す機会は貴重な場です。例をあげると、「SQLの実行順序について」がテーマのとき、テーマに沿って話した時間は20分ほどで、「普段SQLを書くときになんとなく気になってたこと」といった主題とは関係のない話をする時間もありました。
繰り返しになりますが、データ戦略室は職種の異なる人間が集まっています。その上、各メンバーが関わっている事業は様々なので、職種が異なる&データ活用に関わっている事業が異なる場合、普段のコミュニケーションがほとんど発生しない関係性もあります。勉強会を継続して開催していると、チーム全体のコミュニケーション量の増加を感じる機会も増えており、チームの結束力向上に一役買っていると思います。

終わりに

全社のデータ活用が進むにつれ、データ戦略室は新しいメンバーが増え続けています。データ戦略室が発足してから約2年半が経過し、データあるあるをブログに執筆できるほどチームとして業務を行ってきました。そのため、自分にとっては当たり前な知識でも、他者から見ると当たり前でないことも多く、チームメンバーの知識や経験談から刺激を受けることも多いです。
今年の4月に始めた「ゆるっと勉強会」ですが、まずは1年の継続を目指して頑張りたいと思います。