Leverages データ戦略ブログ

インハウスデータ組織のあたまのなか

レバレジーズにおけるBIツールの導入及び浸透施策について

はじめに

 データ戦略室ビジネスアナリティクスグループの井上と申します。チーム設立時からデータ戦略室に所属し、2年が経ちました。

 ビジネスアナリティクスグループでは、事業部へのBIツールの導入及び浸透、データマートの開発、各種データ分析・提案、データ抽出依頼への対応、その他データ活用PJTのPMなど、データ活用に関わる業務を幅広く行っています。

 今回は、その中でもBIツールの活用周りにスコープを絞り、記事を書いていきたいと思います。

現在のBIツールの活用状況

 現在、レバレジーズ内では多くの事業部でBIツールが活用されています。

 他社様の事例や自身の経験から、浸透の度合いとして下記のような4段階を考えております。

  • レベル4:データ活用環境が営業管理システムに統合されている状態
  • レベル3:日常的に必要なデータがダッシュボード化されている状態
  • レベル2:単発的に必要なデータがBIツールから抽出できる状態
  • レベル1:BIツールは使えるが、まだ必要なデータが抽出できない状態

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BIツール浸透の4段階
(レベル毎の状態と、データ分析業務においてどのようなことが問題になるかをまとめています。)

 レベル4においては、物理的にシステムに統合されていればOKということではなく、日常業務を行うフローの中で自然にデータ環境が活用されている状態を指しています。

 上述の定義で言うと、現状のレバレジーズではレベル3~レベル2の事業部が多く、レベル4に到達できたと言える事業部はまだまだ少ないのが状況です。

 ビジネスアナリティクスグループでは、活用レベルを上げていくために日々ダッシュボードの開発や勉強会の開催などの施策を進めています。

BIツールが活用され始めるまでの失敗と成功

 まだまだ道半ばとはいえ、2年間でここまでBIツールが活用されるようになるまでに、数々の試行錯誤を行ってきました。その中のいくつかの失敗談と乗り越え方を書いておきます。

 会社として0からのスタートだったため、程度の低いものもあるかもしれませんがご了承ください!

導入は「スモールスタート」 → 導入は「ある程度のトップダウン

 導入初期の頃、小さなチーム単位で活用を開始し、うまくいったものを事業部へ展開しようと考えました。しかし、チームによって見ている数字や頻度が違いすぎたため、横展開がうまくいかず失敗しました。

 ある程度大きな組織になると、組織全体でBIツールを導入していく方針を打ち出し、時間をかけてでもまとめて移管していかないと導入が難しいと感じました。

 実際に導入するときには、各事業部の事業部長や経営企画の方々を巻き込み、ある程度のトップダウンで進めることが多かったです。

 各チームで自由に管理されているスプレッドシートを停止したり、モニタリングする指標を統一したり等、現場への影響度の強い施策の履行も必要かなと思います。

「表形式は悪」 → 「表形式も便利」

 「BIツールの導入するなら、グラフできれいに可視化して使いやすくしないとね」と思い、いろいろな可視化を試していましたが、浸透しないことも多かったです。

 レバレジーズでは、データ戦略室に限らず、データを自分たちで分析し、ネクストアクションを決める文化があり、特にレイヤーが上がるほど「データから探す」使い方が求められていました。そうした場合では、データがある程度一画面にまとめられている表形式の可視化のほうが向いていることもありました。

 もちろんすべてがそうではないですし、より意思決定のスピードを上げていくために可視化は必要なのですが、目的に合わせて見た目を作らないと駄目だなと再認識できました。

「ちゃんとしたものを作らないと」 → 「作らないとうまくいくかわからない」

 導入自体がうまく進んでいると、より良いダッシュボードを作ろうとして、張り切って完璧なものを作ろうとしがちでした。その結果、時間をかけたのにいざ公開してみると意外と反応がないことも多かったです。(もちろん現場ヒアリングや事前レビューなどは行ってから公開していました。)

 ダッシュボードに限らずですが、アウトプットを完璧にしようとするよりも、とりあえず簡単なものをリリースして直していくほうが結果的に浸透もうまくいくことが多かったです。

 データ定義のズレや見た目の調整など、実際に使ってもらうことでより良くするためのアイデアが出やすくなるので、早期リリースは今後も心がけていきたいです。(最近時間が足りなくてリリースに時間がかかっています…なんとかしないと。)

 その他にもいろいろと施策を行った結果、BIツールやそこから抽出されたデータの活用度は高まり続けています。ダッシュボードの閲覧回数も大幅に向上しました。こちらは今後も更に伸ばしていく予定です。

 もちろん見るだけでは意味がないので、各所の意思決定MTGダッシュボードを活用してもらったりなど、閲覧数に現れない部分でも浸透を図っていきます。

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とある事業部のBIダッシュボード閲覧回数推移
(とある事業部のダッシュボード閲覧数モニタリングをスクショしました。ダッシュボードの閲覧数はこの半年~1年で上昇傾向です。11月何があった。)

今後について

 この2年間で、事業部の現状を詳細まで見られる環境の構築、および浸透は大幅に進みました。

 ビジネスアナリティクスグループとしては、BIツールのさらなる浸透や改善、事業に影響を与える指標の発見やその分析、データ教育など、データに関わるすべてのPJTに顔を出し、スピードアップと質の向上に貢献していきたいです。